UNDULATION : Motorcycle HELMET
アメリカで1970年代に造られていたビンテージルックのレプリカ・フルフェイスヘルメットにUNDULATION加工一式を施しました。一般的な塗料の販売ルートでは入手が不可となりますナノシリカ / アクリル樹脂による無機有機ハイブリッド塗料を何層も塗り重ねる事により、この独特なスパークル系の発色は実現を致します。本ヘルメットにはゴールド・カラーを全てのベースに置き、その直上にパープル系のカラーを配置。何よりも日本の伝統的な高貴なイメージカラーをそこに投影致しました。
ビンテージ・モターサイクルヘルメットの造形は、デザインや機能面からも究極の造形を有していると思います。ヘルメット帽体各部の曲線にはほんの僅かな歪みなどは存在をしておらず、つまりは、当時ヘルメットメーカーのモデラーとして従事し、理想とするその造形に関し妥協をする事なく探求を続けて来られた先人達の努力の結果がそこに在ります。必然性に満ちた曲線の集合体であるビンテージ・モターサイクルヘルメットの造形や佇まいは美しく、現在でも多くのバイク乗り達を魅了して止みません。
更に昨今、各ヘルメットメーカーよりリリースされているリメイク版ビンテージ・ヘルメットにおいては、既に完成をされていたと思われる究極の造形に21世紀のアイディアと技術を注ぎ込み、当時の工業技術では絶対に到達する事が叶わなかったシルエットにまで昇天をされているとお見受け致します。デザイン的に、まさに必然の塊であるビンテージルックのレプリカ・ヘルメット… そこに果たしてUNDULATIONの表現は成立をするか否か。またモーターサイクル・ヘルメットにアートの要素は必要なのかまたは否か。どうか以下の写真をご覧頂き、その必然性に関してのご判断を賜りたく思う次第です。