UNDULATION The Chopper

画家や彫刻家、あるいは陶芸家、はたまた近代または現代アート作家と称される所謂『本物』の芸術家の方々が、オートバイや更に踏み込んでハーレーダビッドソンをその創造のキャンパスとされた事は古今東西今迄にも多々あった事と思います。が、こちらにてご覧を頂くUNDULATION The Chopperと命名させて頂きましたチョッパースタイルのカスタムハーレーの場合はまさにその真逆です。この UNDULATION The Chopper はハーレーダビッドソン専門のカスタムショップ : BAD LANDの主宰、私、クワイ華が、カスタムハーレーやカスタムバイクと称される既存のジャンルやカルチャーに、新たにアートと云う価値観と手法を持ち込み、そしてその確立を果たすべく本気で芸術と呼ばれる領域で製作をした作品であります。

UNDULATION The Chopper は、70年代から脈々と受け継がれるロングフォーク・チョッパーの王道を行く手法とスタイリングにて製作を致しており、確かに25年を越えるBAD LANDでのカスタム製作の中で培ったアイディアや技術は取り入れをさせて頂きましたが、しかしそこには気を衒った要素などは微塵も存在しておりません。

正直な所、当初はこうした伝統的なチョッパースタイルのハーレー、或いはカスタムハーレー全般に実に斬新な表現方法であるUNDULATIONを施す事の意味や必然性を見出す事が出来無いでおりましたが、ある時、結果の良し悪しに惑わされる事無く、自分自身の拘りや心の中の壁を越えるべきだとの思いに至った事がきっかけで、思い切りまして UNDULATION をハーレーダビッドソンのガソリンタンクに施工した事があります。その一線を越えた時の感覚と、縦横無尽に流れるUNDULATIONのラインを纏ったガソリンタンクを初めて目にした時 “アートとはいかなるモノ” なのかの本質を理解する事が出来ました。自らを芸術家と呼称するにはかなりの抵抗がありますが、あの一線を越えた時の感覚を知ってしまった以上、これからはそんな呼称に捕われる事無く存分にアートと言う価値観を持ち込み新たなスタンスと共にカスタムハーレーの可能性を追求して行きたいと思っています。